前回、ニッカドバッテリーを解説しましたので、今回はニッケル水素バッテリーの基礎を解説します。
基本的に、ニッケル水素バッテリーはニッカドバッテリーの進化版だと思って間違いないです。
ニッケル水素バッテリーはニッカドバッテリーに比べると大容量で、今では値段も安くなっています。
基本的な特性は共通点が多いのですが、違う点もありますのでそこをメインで解説します。
記事の見出し
ニッケル水素バッテリーの特性
ニッケル水素バッテリーの一番の特性として挙げられるのは、こちらです。
「内部抵抗が大きいので、保管している時に自己放電してしまう。」
最近の製品の中には、この性質を改善している物もあるのですが、基本的には自己放電する性質があります。
そのため、使わずに何カ月もそのままにしておくと、充電していた電気がどんどん減って空っぽになっちゃいます。
空っぽになるだけならいいのですが、長期間空っぽのままにしておくと・・・・。バッテリーが死んじゃいます。。。
あと、ニッカドに比べるとメモリー効果が起きにくいとされていますが、そうは言ってもメモリー効果が起きないわけではないので注意した方が良いと思います。
ニッケル水素バッテリーはマシンが遅くなるまで走らせよう
一応、メモリー効果を起こさないためにもニッケル水素バッテリーを使ってラジコンを走らせるときは、ニッカドバッテリーと同じようにスピードが明らかに遅くなったと分かるぐらいまで走らせましょう!
ちなみに、マシンを持ち上げた状態でタイヤが止まるまで放電するのは止めた方が良いと思います。
ニッケル水素は過放電に弱いので、そこまでやると放電しすぎで痛める可能性があるからです。
マシンのスピードが遅くなって、トロトロと走るようになってきたら走行をストップ!このくらいでOKです!
ちなみに、途中で走らせるのを中断して、休憩した後に残りのバッテリーで走らせるなどはOKです。
ニッケル水素バッテリーの保管方法
ニッケル水素バッテリーは自己放電が多いのに、過放電に弱いという困った性質があります。
そのため、保管するときはある程度注意した方が良いです。
次の走行は1、2週間後ぐらいの時
1、2週間程度でしたら自己放電で空っぽになるのは考えにくいので、使い終わったバッテリーは、使用後にラジコンから取り外した状態でそのまま保管して大丈夫だと思います。
そして走らせる直前にフル充電します。
次の走行が1か月以上先の場合
1ヶ月以上使う事が無い場合は、ニッケル水素の自己放電で過放電しちゃう可能性があるので、少し面倒ですがおよそ半分ぐらい充電して、その状態で保管してください。(面倒な場合はフル充電しても良い)
そして、走らせる前に一旦放電してからフル充電します。
放電する場合は、放電器のニッケル水素モードを使用するか、充電器の放電機能を使用して放電しましょう。
うーん。めんどくさいですよね・・・・。
ニッケル水素は、電池の寿命を考えて正しく使おうとすると保管がめんどくさいのが弱点ですね。
ニッケル水素の充電方法
ニッケル水素の充電は、バッテリーの負担が増えないように基本的に1C以下で充電しましょう。
「1C」の意味が分からない場合は、別記事で既に説明していますのでこちらをご覧ください。
使用する充電器は充電器は満タンになったら自動で充電がストップする充電器を使った方が良いです。
自動でストップしないタイプの充電器だと充電しすぎの状態になっちゃってバッテリーを痛めたり、壊れたりすることがあるからです。
自動でストップするタイプだと、アマゾンで売れ筋の急速充電器がこちらです。
上記の充電器でも、もちろん良いのですが、個人的には放電機能が付いていたりリポバッテリーも充電できるようなものを選んだ方が良いと考えています。(このあたりも既に別記事で書いていますのでこちらをご覧ください。)
充電例
手元にあるニッケル水素バッテリーは、タムテックギア用の物だったので少し容量が少ないですが、容量1700mAhのニッケル水素バッテリーを使って充電します。
まずは、充電器とバッテリーを接続します。
1C充電が基本なので、電流を1.7Aに設定して充電開始しました。(下段の方)
計算上は1時間で充電が完了するのですが、実際には各種ロスが発生するので1時間10分~1時間20分ぐらいかかると思います。
さぁ、充電スタート!
(待つこと、38分)
充電完了しました!ってあれ?早すぎない?
良く見たら、1039mAhしか充電されてない!
1700mAhのバッテリーなのに1039mAhしか充電されずに止まっちゃいました。
やっぱり、ずーっと(1年以上)使ってなかったバッテリーなので、それが原因ですかね。
これはリフレッシュしてあげないといけません!
放電機能を使って放電して、そして充電して、これを何回か繰り返します。
1Cだと上手く充電されず、少し低め(今回の場合は1Aぐらい)で充電した方がフル充電されるようになりました。
1Cだと、さっきみたいに充電が途中で止まっちゃったんですよね。
こんな感じで、ニッケル水素バッテリーは使わない時期が長くなると、すぐに調子が悪くなるのが弱点です。
一度調子が悪くなると、復活しなくなることも良くあるので、個人的には一番嫌いで一番買いたくないバッテリーです。
(リポだったら自己放電がほとんどなく、長期保存もできるので個人的にはリポが好きです)
ニッケル水素バッテリーのまとめ
・内部抵抗が高いので自己放電しちゃう
・過放電に弱い
・走らせるときは最後まで使う(メモリー効果を防止)
・次に1・2週間ぐらいで使う時はそのまま保管する
・次に使うのが1ヶ月以上先なら半分ぐらい充電した状態で保管する
・充電は1C以下で行う
ニッケル水素は4000mAhクラスがお買い得
今はニッケル水素バッテリーの容量単価が下がってきてるみたいで、ずいぶん安く買えます。
なので、ニッケル水素バッテリーを使うなら長時間走行できる4000mAhクラスあたりがちょうど良いかなと思います。
ただし、充電電流を調整して1C充電できる充電器を持ってない場合、4000mAhだと充電時間がめちゃくちゃかかってしまいます。
そのため、自分の持ってる充電器の充電電流と相談しながら容量を選ぶのも良いと思います。
次回は、リポバッテリーについて書きます。